現代のシンデレラになる方法

大丈夫なんて、先生の手前言ったものの……。

先生はお医者様の家系。
上流階級のご両親と一般庶民の私とでは住む世界が違う。

そんな人達のところへ、先生の結婚したい相手として私は行くのだ。
普通に考えて、反対されるに決まってる。
下手したら、集中砲火でも浴びせられるんじゃないか。

だって誰がどう見たって、先生と私とじゃ何から何まで不相応。
全然釣り合ってない。

そう、だから、ここまで先生とお付き合いさせてもらっておきながら、この期に及んで未だに自信がないのだ。

先生の気持ちを疑ってしまうのは本当に申し訳ないと思うけど。

先生の一時の気の迷いっていうことで付き合うならまだしも、結婚なら別だ。

やっぱり気の迷いだったじゃ済まされない、離婚とでもなったら先生の経歴に傷をつけることになってしまう。

両親に会う前に、こっちの方が問題だ。

もう単純に嬉しいなんて喜んでいられない。

戸惑い半分、嬉しさ半分なんて。

冷静になった今ではもう戸惑いしか残ってない。

本当に先生は、こんな私なんかと結婚するつもりなんだろうか……?


ベッドの中、先生の隣でなかなか寝付けず目を開けたままグルグル考える。

そんな私に気付いた先生が優しく声をかけてくれた。

「……やっぱり不安か?」

今はそんなご両親に会う不安よりも……。

だめだ、こんなこと言えない
先生の気持ちを否定するようなこと。

こんなに優しくしてくれるのに、どうしても信じられない。
やっぱり自分の劣等感が勝ってしまう。

……本当に私なんかのどこがいいの?


「何か言いたいことがあるんじゃないの?」

「先生……」

「何?」

「ほ、本当に私でいいんですか?

「え?」

「結婚するの、私でいいんですか?」

「なんでそう思うの?」

「だ、だって、先生と私とじゃ全然釣り合わない」

「そんなこと言うなよ」

今まで付き合ってきたのに、今更?
自分でもそう思う。

だけど結婚っていう問題に直面して、改めて実感させられてしまうのだ。

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