現代のシンデレラになる方法
あれから頭を下げ続ける私に、ようやく2人は観念してくれてその場はひとまず保留ということでお開きになった。
別れさせられると思っていたばかりに、保留になっただけでも大きな成果だ。
先生はびっくりしたように、どんな手を使ったんだと聞いてくるけど絶対に内緒。
こんなこと恥ずかしくて本人には言えないもの。
そして、付き合いに反対していた2人が出した条件がこれだった。
私が仕事を辞め先生を支えることに専念することと、先生が大学病院に戻ること。
正直少し名残惜しかったが、それで先生と一緒にいられるのならと快諾した。
先生の方は大学病院に戻るにあたって、私に辛い思いをさせてしまうとお父さんと少しモメたみたいだけど。
お父さんの方が勤務時間だとか論文提出だとか、色々譲歩してくれて先生も納得したようだった。
そして、それだけじゃない、先生のお母さんとよく一緒に買い物へ強制連行……、いや連れていってもらえるようになった。
素敵なカフェでお茶して、ランチして、そこで厳しく食事のマナーを叩きこまれた。
医者の奥さんとの食事会は見栄の張り合いだとか。
間違っても貴之さんに恥をかかせないように、と言われたが。
それだけじゃなかった。
その躾には私本人にも恥をかかせたくない、という思いが伝わってきた。
私を大事に思ってくれていることが嬉しくて、つい、にやけてしまっては緊張感が足りないと怒られた。