現代のシンデレラになる方法
「あれ、てか指輪どうしたの?」
すると昴先生が私の薬指を見て言った。
「え?」
「ほら仕事中だからしてないだけだって」
「まさかまだ渡してないなんて、ねぇ」
西原さんを含め他のナース達が、まさかねぇなんて示し合わせたかのように、わざとらしく小声で話す。
「お前らなぁ」
にぶい先生もこれには、皆の魂胆が分かったところで呆れたような声を出した。
「兄さん、いい機会だから皆の前で渡したら?」
「はぁ?」
そんな無茶な提案をする昴先生。
そしてなぜか指輪が入っていると思わしき、紺色の指輪ケースが昴先生の手の中に。
「あれ?おかしいな、こんなところに丁度よく指輪が」
「昴っ!」
「でかした昴先生っ」
一気に沸き上がる病棟内。
先生もこれには観念したようで、昴先生からその指輪を受け取った。
すると、今度は一瞬にして静まり返る病棟。
「ごめんこんな形で渡すつもりじゃなかったんだけど」
皆の注目が一身に集まり、顔が熱い。
きっと今、私の顔は真っ赤に違いない。
「い、いえ……っ」
「結婚してくれる?」
「は、はい……っ、すいません、ありがとうございます」
そう言って、先生から薬指に指輪をはめてもらう。
すると次の瞬間、一斉に拍手を贈られた。中には涙ぐむ人も。
おめでとう、おめでとう、と次から次へと声をかけられ、もう嬉し涙で涙腺は緩みっぱなしだ。