現代のシンデレラになる方法


「あれ、てか指輪どうしたの?」

すると昴先生が私の薬指を見て言った。

「え?」


「ほら仕事中だからしてないだけだって」

「まさかまだ渡してないなんて、ねぇ」


西原さんを含め他のナース達が、まさかねぇなんて示し合わせたかのように、わざとらしく小声で話す。


「お前らなぁ」

にぶい先生もこれには、皆の魂胆が分かったところで呆れたような声を出した。


「兄さん、いい機会だから皆の前で渡したら?」

「はぁ?」

そんな無茶な提案をする昴先生。
そしてなぜか指輪が入っていると思わしき、紺色の指輪ケースが昴先生の手の中に。

「あれ?おかしいな、こんなところに丁度よく指輪が」

「昴っ!」

「でかした昴先生っ」

一気に沸き上がる病棟内。

先生もこれには観念したようで、昴先生からその指輪を受け取った。

すると、今度は一瞬にして静まり返る病棟。


「ごめんこんな形で渡すつもりじゃなかったんだけど」

皆の注目が一身に集まり、顔が熱い。
きっと今、私の顔は真っ赤に違いない。


「い、いえ……っ」

「結婚してくれる?」

「は、はい……っ、すいません、ありがとうございます」


そう言って、先生から薬指に指輪をはめてもらう。

すると次の瞬間、一斉に拍手を贈られた。中には涙ぐむ人も。

おめでとう、おめでとう、と次から次へと声をかけられ、もう嬉し涙で涙腺は緩みっぱなしだ。



< 192 / 196 >

この作品をシェア

pagetop