ご主人様に監禁されて
『…では僕も探しましょうか。もしかしたら日本の古い知り合いのもとかもしれませんし』
『……本当にいないのか』
『ええ』
『そうか…いやなに、姫様を見つけ出したら、今後のヒューアス家の生活にもきっと影響してくるのではないかと思ってな』
姫を差し出せば権威が上がると考えてるわけだ。
そもそも側近は周知で公認の家出なのであり、居場所もしれてるのだから差し出したところで大して変わらないのだが。
『…やはり日本へ行こう』
『え、』
『そして姫様のありかを調べよう。気がかりだ』
一一それは困る。
『ち、父上!?気は確かですか一一父上には仕事があるでしょう』
『短期間なら日本でもできないことはない。
そうだな、来週あたりに帰るか。久しぶりに日本へ帰りたくなってきた』
トントン拍子に進む話に真っ青になる。
一一メイが、ばれてしまう。
『来週にはそちらに邪魔をする。
準備しておけ』
がちゃりと切れた電話に呆然とした。
なるほど、今朝の悪夢はこれだったのか。