Curses return upon the heads of those curse.
「よぅ。お前さん、えらい気合い入ってんなぁ。そんなに憎いのかい、その男」

 ちょい、と女が打ち付けていた藁人形を指す。
 女はいきなり現れた少年に、僅かに目を見開いた。

 が、あまり驚いた風もない。

---こいつぁ驚いた---

 最早人の域を超えたのか、妙なことが起こっても、さして心に響かないようだ。

「まだまだ若ぇのに勿体無い。んでも、こんなとこまでこの嵐の中やって来るたぁ、すでに人じゃねぇわな。お前、おいらを見ても驚かねぇし」

「……人であることなど……」

 ふん、とせせら笑う。
 その態度に、僧正坊は目を細めた。

「面白ぇ。なぁお前さん、おいらのところに来ないかえ」

 ちろ、と女の目が動く。

「こんな嵐の夜中に、そんな格好で出歩くようじゃ、もう家なんぞないも同然だろ。そう卑しい身とも思えねぇが、どちらにしろ、下界じゃ物の怪付きで厄介者だ。そうだろ」

 こんなところまで丑の刻参りに来る者など、正常ではないのだ。
 白装束でたった一人、この真っ暗な山の奥の奥まで歩いて来なければならないのだから。
< 4 / 9 >

この作品をシェア

pagetop