ベランダから見える星
バタバタバタッ


「−…ぃっ…」


「「シーッ」」


うるさい足音に微かに聞こえる話し声。


耳を塞ぎたい衝動に駆られ,手を伸ばしたとき,ベチッと誰かに当ててしまった。



「痛っ」


誰かの声が近くなったとき,私は意識を取り戻した。


勢いよく起き上がり,周りを見渡すと私を囲んでいるお母さん,千香,音緒に実。


奥に料理中らしい拓海と…何故か睨み合ってるお父さんと葵。



「あ−あ,起きちゃった。」


「もう!
 静一郎さんのせいよっ」


千香にジロッと睨まれる葵と,お母さんにキッと睨まれるお父さんは同時に肩を落とし『ごめんなさい』と謝る。


…変な光景。


まだ夢の中にいるみたい。



「静…大丈夫か?」


恐る恐るといった様子でお父さんは具合を尋ねる。


多分もうお母さんから聞いたんだと思う。


2人には知ってほしくなかったな。



「大丈夫。
 それより…ごめんなさい。」


涙が流れる。


いつから私はこんなに弱くなっちゃったんだろう。


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