躊躇いのキス
 
あまりにも予想外の言葉に、思わず振り返ると、
雅兄は本当に「勘弁してくれ」と言ったような困った顔をしていて……。


「あとは、本人に問い詰めてくださいね」


と、紫乃ちゃんは極上のスマイルを向けた。



ああ、なんていうか……

紫乃ちゃんって、本当に素敵な女性だな……。


年下のはずなのに、全然そうは見えなくて。
おとなしそうなのに、ズバッと物事を言いのけて……。



「奏人。
 くっつきすぎ」

「悪い?」

「悪くは…ないけど……。
 そういうのは二人のときにしてよ……」

「へー。
 じゃあ、帰ったらお楽しみが待ってるんだ?」

「……」


女の子としての、かわいらしさも十分備えてる。



あたし、紫乃ちゃんみたいな女の子になりたいな……。
 
< 195 / 203 >

この作品をシェア

pagetop