躊躇いのキス
あまりにも予想外の言葉に、思わず振り返ると、
雅兄は本当に「勘弁してくれ」と言ったような困った顔をしていて……。
「あとは、本人に問い詰めてくださいね」
と、紫乃ちゃんは極上のスマイルを向けた。
ああ、なんていうか……
紫乃ちゃんって、本当に素敵な女性だな……。
年下のはずなのに、全然そうは見えなくて。
おとなしそうなのに、ズバッと物事を言いのけて……。
「奏人。
くっつきすぎ」
「悪い?」
「悪くは…ないけど……。
そういうのは二人のときにしてよ……」
「へー。
じゃあ、帰ったらお楽しみが待ってるんだ?」
「……」
女の子としての、かわいらしさも十分備えてる。
あたし、紫乃ちゃんみたいな女の子になりたいな……。