躊躇いのキス
 





「いや、無理でしょ」

「……」



家に帰って、
なぜかあたしは雅兄の部屋にいて、

さっき思ったように、紫乃ちゃんみたいになりたいと言ったら、ズバッと一言。


「お前にクールビューティーとか無理だから」

「なんでっ……」

「俺が好きなのは、
 お前みたいにころころ百面相する女だけど?」

「……」


それを言われてしまったら、何も言い返せない。


「……雅兄って、ほんと小悪魔な性格してるよね」

「奏人は完全ドSだけど。
 俺は優しさもあっていいでしょ?」

「……」


どっちもどっちだ……。
なんて思ったけど……



「あたしは………雅人がいい」



性格がどうこうじゃなくて、
もう雅兄しか見えないんだ。
 
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