AfterStory~彼女と彼の話~
「ほおひぃでふ」
「リスみてぇな顔だな」

 私がチョコ菓子を頬張っている顔を見て玲二さんがプッと笑うから、急いでチョコ菓子を食べきって玲二さんの背中を叩いた。

「リスじゃありませんってば!!」
「痛ってぇ」

 玲二さんは痛がっているけれど、顔が笑っているから絶対に痛いと思っていない。

 も~、さっきから私1人でドキドキしたりモヤモヤしたり、怒ったりじゃん!!

「千明、帰るぞ」

 玲二さんが紙袋にタオルケットをしまって左手を差し出しす顔は、うんと優しい顔をして反則。

「………はい」

 悔しい気持ちを込めて返事をして、玲二さんの手を握り返してコインランドリーを出て、普通乗用車に乗り込む。

 この後、玲二さんは私が住むアパートの前で鬼の形相で待ちかまえていた鷲宮さんに、たっぷりと叱られた雨の日の出来事だった。









 【吉野千明×鷹野玲二の場合】 終わり


2016/7/7up
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