星空と君の手 【Ansyalシリーズ 託実編】


まっ、まさか……。


「相本さん、それって」

「えぇ、百花さんの。

さっき亀城様と楽しくお話されてたのでお知り合いなのかと思いまして
 先ほど、会長と電話で話し合ってお持ちしました。

 百花さんのも見て頂こうと」



えっ?


嘘っ。

いやっ、
まだ早いって。



相本さんの突然の申し出に心臓が壊れそうなほど
バクバクし始める。



託実は託実で、突然奥から持って出てこられた
絵画にすでに興味を示してて。




「これ、百花ちゃんが描いたの?」



ってもう、見てんじゃん。



託実の目の前には半年くらい前に描いた絵が広がってる。




眩しいくらいの日差し。


光り輝く緑の合間からこぼれ出る光。
その光を浴びて、芽吹いていく息吹き。

空の青とのコントラストを
閉じ込めた……風景画。




そう、私の中にはその空と緑の合間に、
実際には描くことのなかったAnsyalのイメージでもある
羽根がちりばめられたお気に入りの一枚。





「百花ちゃん。
 この辺りに羽根が見えるんだけど……」




思いがけない言葉を
切り返した託実に、
思わず顔を凝視してしまう。



「まぁ、亀城様のおしゃられる通り
 羽根があれば、
 また素敵な一枚になりますね」


っと言葉を
切り返す相本さん。



……嘘……。




伝わった……私が
この一枚に込めた思い。




「百花ちゃん、
 これ譲ってくれないかな?」




真剣な眼差しで
私を見た託実がそう言った。

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