♡短編恋愛集♡
上手なお酒の楽しみ方だったと思う。
 聞いたら僕と同じ年で、それなのにとっても落ち着いていて。
 それなのに頭はモヒカンモドキで。
 でも会社では営業やってて。
 へそピーしてて。
 彼氏いない暦=生きてきた年数なんて。
 信じられんっ!
 そんな話を聞いて僕の気分は乱高下してバカみたいに酔っ払ってしまった。
 しなくてもいい3ヶ月前に彼女と別れた話とか、何時に電車に乗るとか、住んでるアパートの話とか、弟の話とか・・・今となっては何を話したかさえ思い出せん。 反省。
 結局、マスターが『もう店じまい』って言うまで飲んで僕たちは二人で店を出た。
 それからはありがちな話だった。 僕がミクを部屋まで送っていって。『コーヒーでも飲んでいかない?』って誘われて。
 ミクん家にお邪魔して。
 本当にコーヒーご馳走になって。今までで初めてだ。本当にコーヒーご馳走になったの。
 で、僕がダルそうにしてたら毛布持ってきて『ソファでもいい?』って。
 ちょっとまて。
 ちょっとまて。
「ちょっとまって」
「? なぁに?」
「こういう場合、別々に寝るの?」
 ミクときたらキョトンとしてる。「普通、僕がミクを襲うでしょ?」
 さらにキョトンとした。
 なんだかそれが・・・可愛らしい。
「え? なんで?」
「興味もない女の部屋になんかこないでしょ? 」
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