♡短編恋愛集♡
 僕がミクの腕を掴んでそういうと顔を真っ赤にして顔を背けた。その時僕はきっと下卑た薄笑いをしていたと思う。ずいぶん前の彼女に僕がベッドに誘う時、いやらしい薄笑いをしてるって言われたことがあったっけ。
「ゴ、ゴメンナサイ。私、そういうのに疎くって・・・そういう風に思ってるなんて思わなくって」
 そう言うミクを強引に引っ張ると腕の中に抱きしめた。
「純情っぽいとやっちゃうよ?」 ミクの顔を僕のほうに向けると優しく唇を吸った。柔らかくってさっき飲んだコーヒーの味がした。 そのまま僕が瞳を開けるとミクの全開の眼が・・・・・
慌てて唇を離すとマジマジとミクを眺めた。
「あのさ・・・」
「はい?」
「何で眼、開けてんの?」
「え? 閉じるもんなの?」
 天然か?
 天然なのか?
 普通閉じるだろ?
 彼氏いない暦=生きてきた年数ってホントだったのか?
「あ、あのさ」
「 あぁーーーーーめんどくさい」
「?」
「雄太郎は飲みすぎてるし、夜も遅いし寝なさい」
 ぽふっとクッションを渡される。 え?
 マジで?
 何もナシで?
 このまま? 
 えぇ~?
 ミクはすっくと立ち上がると隣の部屋に消えていった。
 初めてだ。
 こんなの・・・。
 もしかして、新手の放置プレイか?
 ただのお預けか?
 ソファに横になって悶々と考える。
 僕、ストライクゾーンじゃなかったとか?
 だったらキスした時に嫌がるだろうし、部屋に入れないよな?
 ありえない。
 雄太郎史上初ってヤツ?
 とりあえず・・・・・
 明日休みでよかった~。

 ぢゃないよっ!!
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