ONLY YOU~愛さずにはいられない~Episode.0~
_________
______


「安田さんと母さんの婚約を祝して、カンパイ!!」

虎さんが乾杯の音頭を取り、ディナーが始まった。

予約したテーブルは個室。

色とりどりのスワロフスキーを散りばめたようなの東京の夜景を眺めながら、私たち安田家と相良家の和気藹々と高級なフレンチコースを楽しむ。


私の目の前の椅子は康秋君用に空けていた。彼不在で、前菜、スープと運ばれて来る。


「康秋、遅いわね・・・」

相良さんはスマホで康秋君に電話をした。


「康秋?今、どこ?…あ・・・そう…わかったわ。待ってる」

相良さんは直ぐに通話を切った。


「ロビーだって…もうすぐ上がって来るわ・・・誰か店の外で・・・」

「わ、私行きます!!」

「そう?香波ちゃん、お願いね・・・」

「はい」

私は康秋君を迎えに店の外に出て、エレベーターホールで彼を待ち伏せ。

彼には山ほど、言いたいコト訊きたいコトがある。それに、慣れないパンプス履いたせいで、両足の踵に靴擦れが出来てしまった。地下1階にコンビニがあるようだし、そこで絆創膏を買うつもりだから・・・ついでに付き合ってもらおうと思っていた。

最上階で停止したエレベーター・・・
私はそのエレベーターの扉が開いた瞬間を狙い、飛び込んだ。


「何??」

エレベーターの中にはボサ髪に眼鏡を掛け、変装した康秋君一人だった。








< 74 / 142 >

この作品をシェア

pagetop