不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
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『…俺がこの会社の社長を務める
『森園燎次』だ。
アンタが柊のオッサンの
嫁の里依奈だな?』
アルバイト初日。
久々にリクルートスーツに身を包み
心配してくれた夫からの
同伴の申し出を断って
勿論一人で家を出た私は
久々に電車にも乗って
【HOS第3ビル】の3階に到着した。
夫の知人の息子さんが大学時代に
OBの先輩と一緒に立ち上げて
今はこの息子さんだけが残って
社長を務めていると言う
IT関連会社に辿り着き
通された会議室にて
社長本人との面接に臨んでいた。
知人の息子さんで若い社長
とだけ聞かされていた私の前に
名刺を持って現れた森園燎次社長とは
黒で統一された私服姿に
重そうな太めチェーンで
どちらも十字架のデザインが施された
2つのネックレス。
高価そうな黒の革靴を履き
ラズベリーブラウン系の髪色を
無造作にセットして
左耳に2個のピアス
左手中指と薬指、右手小指に
地金の太い指輪をはめていて
私を『アンタ』と呼ぶ
何だかイメージしていた社長とは
ほど遠い印象の男性だった。