不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
左手薬指に指輪あるから
この人も私と一緒で結婚してるんだね。
そうぼんやり考えていると
『…悪い…タバコ吸わせてくれ。』
そう言って私の返答を聞く前に
森園社長は部屋の換気扇をつけ
ジャケットの内ポケットから
メンソールのタバコを取り出すと
高価そうなブラックの
ジッポライターで火を点けた。
『…最初に断っとくが
俺はスモーカーで口も悪い。
見た目はこんなんだけど
仕事には厳しくさせて貰ってる。
それが嫌ならウチでは無理だけど
アンタは平気か?』
タバコをふかしながら
私が出した履歴書に目を通し
極力私に煙がいかないように
配慮してくれている社長は
私にチラリと視線を向けた。
向けられた鋭い切れ長の目に
一瞬ドキッとしながらも
イメージとはほど遠い社長ながらも
何だろう…私はこの人嫌じゃない。
「…はい、大丈夫です。」
私は少し強張りながらも
にこやかに微笑んで見せた。