不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
「…あの。」
言いかけて私は
毎回こうして黙ってしまう。
私と食事に行ったりなんかして
奥さんは大丈夫なの?
知ってるの?
バレたりしないの?
と、毎回聞こうとしても
どうしても言えなくなってしまう。
すると
『…何だ?リーナ。
今日何か用事でもあるのか?
俺がオッサンに
許可取った事疑ってるのか?
それとも、俺と食事は不満なのか?』
そう言いながら睨みつけるように
ジワジワと私に詰め寄ろうとする社長に
私は後退りしながら左右に手を振った。
「…いえ!!何でもないです。」
聞きたい言葉を飲み込んで
あくまで何でもないと首を横に振ると
『……ならいい。
仕事終わったら先に
近くの喫茶店で待ってろ……いいな?』
そう言い残して
私の頭にポンと手を置いた社長は
コーヒーの入ったマグカップを持って
デスクへと戻っていった。
「…ああ、また聞けなかったな。」
私はため息を吐いた。