不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
***
どうして私はここにいるんだろう。
どうしてここに来てしまったんだろう。
あの後家を飛び出した私は
電車に飛び乗り、駅を降りて
【HOS第3ビル】の近くまで来ていた。
そう、ここは私が勤めている
燎次社長が入っている会社のあるビル。
馬鹿だなぁ…私。
何で来ちゃったんだろう…。
いつの間にか足が体が無意識に
勝手に動いてここまで来ていた。
でも…。
ここに来たところで今日は土曜日。
社長が会社にいるとは限らないのに…。
それに私がここに来て
社長に会えたからと言って
何にもならないのに…。
夫と喧嘩して飛び出したなんて
馬鹿な事を話しても何もならないし…。
だけど……ここに来てしまった。
無意識に来てしまっていた。
あの家にいるのが嫌で
夫に『大嫌い』と捲し立てて
目的もないのに咄嗟に飛び出して
脇目も振らずただただ走って
電車に飛び乗って
ここに辿り着いていた…。