不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
……燎次君?
社長の後ろから聞こえた声の主は
テーブル席で頬杖をつきながら
にこやかにこちらを見ていた
綺麗な女性だった。
『……リーナ?』
社長が私の名前を呼んで
こちらに距離を縮めていくけど
私の視線はその女性に向けられていた。
…アップにされた髪に
水色のノースリーブワンピース。
華奢で細そうなモデルスタイル。
何より…凄く綺麗……。
……あっ。
その瞬間、私の中である事が繋がった。
この人がきっと社長の奥さんだ…。
その証拠にアイスティーを飲んでいる
女性の左手薬指には
高価そうなダイヤモンドリング
首にはダイヤモンドネックレス
耳にはダイヤモンドのピアスが
存在を主張している。
社長の奥さんだから
綺麗なスタイルと高価なアクセサリー。
そっか…この人が社長の奥さんか。
そう思った途端に
複雑な感情が私をグルグル掻き回した。
何だろう…この気持ちは。
私には夫がいるのに何だろう…。
何だかポッカリ穴が空いて
虚しくて、悲しくて、泣きそうで……。
……私は俯いてしまった。