不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
逃げるように走る私の目から
涙が溢れ出す。
…本当に私は何してんだろう。
さっき、夫や姑から逃げて
今は社長夫妻からも逃げた。
もうきっと気持ちはバレハレだ。
私のした事は恥の上塗りに過ぎない。
現実から逃げても仕方ないのに…。
どうなるわけでもないのに…。
やがて走る気力を失い
行きつく場所も失い
バッグを持つ手とは逆の手で
涙を拭いながらただただ歩いていた時
…ガシッ。
私は突然腕を掴まれた。
ハッとして後ろを振り向くと
『…はぁっ……やっと捕まえた。
馬鹿野郎…勝手に…飛び出しやがって。
…何……勝手に…泣いてるんだよ…。』
私の為に
ここまで走って来てくれたのだろうか。
切れ長の目で私を睨みつけ
額に汗を浮かべて息を弾ませ
肩を上下させて私の腕を掴む
………燎次社長がいた。