不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】

「…や…だ…社長…。
こん…なの…まずい…。」

社長から見下ろされる私の目から

涙が流れる。


どうして涙が出るのか

何に一体悲しいのか何なのか

私にもわからなくなっていると

『…だったら、リーナ。
どうしてあの店に来た?
オッサンと喧嘩して
家を飛び出したアンタが
どうしてダチんとこに行かずに
この街に来たんだ?』

私をジッと見下ろしながら社長が尋ねた。

「……そ、それは。」

言葉に詰まる私に

『…俺に会いたかったんだろ?』

そう言いながら社長は

私との距離を縮めた。


「…ち、違っ…。」

慌てて首を振る私に

『…嘘つくな!!わかってんだよ!!
リーナ……アンタはもうとっくに
柊のオッサンに対して愛情なんてない。
リーナはもう
俺を好きになっているんだよ。』

その言葉に全身がビクンと反応した。


どうして今の言葉に体が反応したの?

「…私は…その。」

狼狽える私の手が震え始め

その震えを察したのか

社長は腕を掴むのをやめると

私の指に自分の指を絡めてきた。


「……!!」

全身に痺れが走り

頭の中で二度目の危険信号が点滅した。
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