不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
『…いい加減認めろよ…リーナ。
アンタは家を飛び出して
俺がいるとは限らないのに
わざわざ電車に乗ってまで
会社に来ようとした。
あの店に来たのも
俺が好きなケーキと牛乳を
買おうとしてたんだろ?
先輩の嫁さんを俺の嫁と勘違いして
いきなり逃げ出したのも
嫉妬したからなんだろ?…違うか?』
社長の言葉に私はなおも首を振る。
「…なぜかわからない。
気づいたら私…ビルの近くまで来てた。」
再び私の目から涙が流れると
『…無意識でもいいぜ。
アンタは俺が好きなんだよ。
だから素直に認めろ!!
何度も言わせるな!!
素直に俺が好きだと言えよ!!
俺が欲しいと言えよ!!』
語気を強めた社長が
段々とその距離を縮めてきた。
「…社長っ…やっ…だ…。
どうして…こんな事を…。」
頭の中には三度目の危険信号が
警告のテールランプのように
クルクルと赤く光って回り
心臓がドクンドクンと激しく高鳴った。
『…リーナ、そろそろ限界だ。
素直に俺を欲しがれよ。』
社長が最終宣告を始めた。
私の耳に残るその声に
心が揺さぶられそうになった。