不道徳でも愛してる2〜もうひとつの愛のカタチ〜【短編:完結】
『…リーナの爪は
まるで研ぎ澄まされた美しい刃だな。』
再びベッドに入った燎次が
引き寄せるように私を抱き締めると
私の左手をそっと取った。
…美しい刃?
そう言われて
チラリと燎次に視線を向けた時
私はハッとした。
さっきまで全く気がつかなかったけど
燎次の二の腕や肩、胸板などに
私が引っ掻いたであろう
無数の紅い爪痕が刻まれていた。
「……あっ……ごめんな…さ…い。」
私は右手で口元を押さえると
そのまま私は俯いた。
燎次と不倫をしてしまった。
無意識とは言え行為の中で
燎次の体に傷まで作ってしまった。
……私は夫を裏切ったんだ。
強引ながらも燎次と一線を越えて
夫を裏切っているとわかりながらも
不道徳の扉を開けてしまい
罪悪感が薄れたように
燎次を欲して愛し合ってしまった。
しかも燎次は会社の社長で上司なのに。
…私は何て事をしてしまったんだろう。
私が家を飛び出した時から
何もかもが間違っているのに
私は燎次に抱かれた事を幸せを感じた。
悦びを感じてしまった。