トキトメ
「すみません。そろそろ時を動かします。長く続けてると、後で副作用みたいな
のが出ちゃって」

 そういうと、彼はパチンと指を鳴らした。

「おい椛島、まだ刺身が残ってるじゃないか。もっと食え」

 何事も無かったかのように、課長が私の方を見ている。

「あ、はい。頂きます・・・」

 今の出来事で、すっかり酔いがさめちゃった。

 今まで静まり返ってた空間から、にぎやかなみんなの話し声が耳に飛び込んで
来た。

 前田くんも、何事も無かったかのように料理を口に運んでいる。

 夢?

 私、寝てた?

 ううん。

 あれは現実。

 だって、彼のやわらかい唇が触れた感覚が残っているもの。

 思い出すと、心臓がバクバクしてきた。

 ヤバい。

 落ち着け、私。
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