トキトメ
「それじゃ、いただきます」

 私は最初にカレイの煮付けを口に運んだ。

「おいしい! やっぱり良くんの煮付けは最高」

 彼は、魚の煮付けが得意だ。

 長年料理をしてきた私にもかなわない。

 魚にしろ野菜にしろ、煮物って味付けが難しい。

 調味料をきちんと計って入れているわけではないので、味付けはいつもマチマチだ。

 それでもあとで微調整して美味しく仕上げているつもりだけど、良ちゃんの味にはかなわない。

「良くん、今日塚田さんがね、私に頼んでいた仕事をあなたに任せたいって言ってたわ」

「俺に?」

「うん。正直まだちょっと心配なんだけど、事前のチェックは彼がしてくれるだろうし、わからない事があればいつでも聞いてもらえればいいから、任せてみようと思う」

「俺、やってみたい」

「そう?」

「ああ」

「わかった。それじゃ、明日正式に課長に頼んでみるわ」

「律ちゃん、俺頑張るから」

「うん」

 キラキラとした彼の瞳。

 彼なら上手くやってくれる。





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