プリキス!!
「……なんでいるの?!」
「しかも僕鍵してたよね……。」
「俺と行成とお兄さんと……あと癪だけど南城夜白とで此処まで来たんだよ。ちなみにこの扉の外では絶賛喧嘩中。……取り敢えず初伊、こっちおいで。」
突然現れた恵に驚く私達に、至って冷静に現状を説明してくれた西高総長。
しかも外では橘と吉良、それから夜白まで戦ってると言う。
吉良……。折角卵粥作ってくれるって言ってたのに勝手に出てきちゃって迷惑までかけて……怒ってるかもしれない。
吉良はいつもクール。
怒ってる所なんて数えるほどしか見た事ないけど、その代わり起こるときは超キレる。
ああ……少し会うのが怖いかも……。
でも取り敢えずは、この押し倒されてる東麻君を退けて恵のところに行こう。
そう思ってもがいて見るけれど、東麻君はきつく掴んだ手を離してくれる素振りはなくて。
「何言ってんの。そう簡単にあげるわけないでしょ。」
しかも何やら好戦的。
火花がバチバチ見えるくらいに。
「お前は初伊の事、嫌いって言っただろう?俺は好き。だから俺がもらうのが正解。」
恵は正論に聞こえなくもない自論を東麻君に自信満々に説いた。
その様子に東麻君は少したじろいで。
本当に西巴君?よく似た別人じゃなくて……?なんて呟いている。
今だ────。
ドンッ
「わっ。」
一瞬腕を掴む力が弱まったのを私は見逃さなかった。
その隙に東麻君の手から逃れて体をドンと押せば、予想外の行動だったのか東麻君のバランスは崩れて、私はそこから逃げる事が出来たんだ。
手を広げて待ち構えている恵。
その腕の中に収まるつもりはなかったけど、恵の手が意外と長くて、すっぽりと抱き抱えられてしまったのです。