プリキス!!
ぎゅう、と痛いくらいに強く抱きしめられる。
「あの……恵。」
「熱いね……。熱ある……。昨日のアレでうつっちゃったのかな。」
昨日のアレ────要するにキス未遂。
その事を思い出せば、途端に恥ずかしくなって。
恵に顔を見られてなくて良かった。
じゃないときっと、真っ赤になってるところを見られてたから。
「あのですね……恵。ちょっと離そう?」
東麻君にも見られてるし、色々と恥ずかしいしで離して欲しかったんだけれども。
恵は離すどころか更に腕の力を強めた。
「大丈夫……?怪我はない?本当に心配したんだよ……。」
切なくなるくらい優しい声。
心配してくれたのが痛いくらいに伝わってくる。
大丈夫、ありがとうと私は答えて、恵の背中をトントンとさすった。
「そうだ……。鍵はね、外にいたアイツ……なんだっけ、此処の副総長がくれた。」
「蛍君……。」
どうやら蛍君は、部屋の外に出されてから走って職員室まで行き、この部屋のスペアキーを取りに行ってくれたらしい。
ちょうど帰ってきたところに恵達がいて、その鍵を託したそうだ。
ついでに言うと、恵は東麻君が偽善と言った辺りからいたようで。
「本当はすぐ助けようと思ったけど、初伊が助けて恵!っていうのが聞けたらなって欲が出ちゃったよ 。あ、勿論危なくなったら助けに行こうと思ってたよ。」
という事らしい。
「初伊、帰ろ?それで病院行こう。その後はずっと俺が看病するから。約束したでしょ。」
「約束……したっけ。」
「した。さ、行こう。」
「待ちなよ。」
私の手を取り、恵は部屋を後にしようとした。
でもそんな簡単に帰れるはずはなく、東麻君は静止の声をあげた。