プリキス!!
「……ついて来て。」
渋々了解ってところだけど、東麻君は頷いた。
姫先輩のいる部屋まで向かう為に、部屋から出る。
でもそこで繰り広げられてるのは……。
「うおおおおおっ!!!」
「てめぇら、たった3人に負けんじゃねーぞ!!勝つのは東だ!!」
殴りあいの喧嘩だった。
「……ねぇ恵。これって……私を助けに来てこうなってるのかな……。」
「そうだよ。」
「……どうしよう。」
私、きちんと理解してなかった。
恵と橘は、西のトップ。
夜白と吉良は南のトップ。
その人達が東に来るってどういう事かをきちんと理解してなかった。
もし此処で西と南が負ければ、彼らは世間に出てからもハンデを背負わなければいけない可能性もあるって事、忘れてた。
私、超迷惑だ。
自分の感情で動いて、大切な人達を困らせてる。
「烏丸?!」
その時声が聞こえた。
「え……?」
「やっぱり烏丸だ!!」
橘の声がどこからかする。
きっと何処かで戦ってると思うけど、不良達が多すぎて橘が何処にいるかは分からない。
「橘!」
「初伊ちゃん、此処危ないから橘君は後に……。」
「うわあっ……!」
「くっっ……!!」
その時、2、3人の不良達がちょうど私の方向に吹っ飛んできた。
ぶつかる!と思い、身構える暇もなく、目を瞑る。
でも予想してた衝撃は来ない。
恐る恐る目を開けると、目の前には二人の背中。
「初伊、大丈夫?」
「橘君ってツメ甘いよ……。なんでこっちに吹っ飛ばすかな。」
二人が盾になってくれたみたいで。
「あ、ありがとう……。」
「怪我なくて良かった。」
「別に。」
「烏丸!ごめん、そっち行っちゃった!」
その直後、橘がたくさんの不良たちの間を縫って現れた。