プリキス!!
side行成
東榮に着くと、黒く光るバイクが俺とめぐ、それから烏丸先輩を待ち構えていた。
「────よう。まさかお前らと手ぇ組む日が来るとは夢にも思わなかったぜ……。」
そう妖しく笑うバイクの主は、南の総長、南城。
バイクに跨りタバコを吸っていた彼はそれを地面に落として足で踏みつける。
「……で、初伊が東麻に捕まったってどういう事だよ。」
どうやら吉良先輩はざっくり説明を省いたようで、訳がわからないまま召喚されたらしい。
それなのにここまで南城は来た。
カリスマ性と強さで勝ち上がった南の絶対王者が、ただ一人の女の子の名前を出しただけで敵地に向かったんだ。
一体烏丸は何者なんだろうね。
まるで猛獣の調教師。
不思議な女の子だ。
一連の流れを吉良先輩が説明し終ったあと、俺たちはすぐに校舎内に向かった。
囚われのお姫様を救い出すために。
「来たぞ、南西だ!!」
「かかれっ!!」
「うおおおおっ!!!!」
校舎内から別棟へ続く廊下には、たくさんのヤンキー達が待ち構えていた。
と言っても、数だけ多いだけで、戦力的には問題ない。
ただ……
「問題は初伊が何処にいるかだよね。」
俺の気持ちを代弁するかのようにめぐは言った。
そう、烏丸が何処にいるか分からなかったら大幅な時間と体力ロスになってしまう。
早く行かないと、烏丸が東麻に襲われる!
さっきまで悠長にしてた自分が恨めしい。