プリキス!!
片桐のそれが合図となった。
呆然としていたヤンキーが、また一斉に襲いかかってきて。
……親切にするのは烏丸限定かよ!!
そうは思ったけど、烏丸がいる場所を教えてくれたのは有難かった。
あの子は自信がある芯の強い人って思われがちだけど本当はただの泣き虫なんだ。
ただ強がってるだけ。
今だって泣いてなくても、心の中ではきっと涙目なんだろう。
早く烏丸に会いたい。
会って、泣いていいよ、強がらなくていいよって言ってあげたいな。
マフィアの長の息子として、小さい頃から身につけてきた武闘術。
それが身についてるのを今ほど感謝した事はない。
だって、人を殺すためのものが、大切な人を守るために使えるんだから。
「うおおおおっ!!」
鉄バットを持って殴りかかる奴には鳩尾に一発。
拳で殴りかかる奴には腕をねじ曲げて。
後方は吉良先輩と南城に任せて、俺は目の前の敵を順番に倒して一歩一歩前に進む。
「信じられねぇ……こいつらたった3人で……
!」
「総長クラスなんだ。当たり前だろ!!」
ほぼ無傷で戦う俺を見て、何人も俺を化け物だと怯えた。
“化け物”
確かに俺は化け物かもしれない。
だってこうやって誰かを怪我させることに何も感じないから。
罪悪感はこれっぽっちもないから。