元姫と現姫ー嘘に塗れた真実ー
「”あの事件”の事。全校生徒は知らないのよねぇ?」
「…!」
図星をつかれ、唇を噛み締める朱雀。
「あの事件を全校生徒が知ったら…来龍は不利。」
桜はそれを、全部知っていて。
来龍が桜を裏切り者と称しても、周りから蔑みの視線を向けられても。
…来龍の為に、何一つ真実を話すことはなかった。
「桜は知っていたのよ。…あんた達の知らないところで。桜は…っ、あんた達、来龍を守っていたのよ…っ!?」
あの事件を言ってしまったら、来龍は信頼を失うから。
でも、言わなければ元姫は裏切り者のまま。
それでも…、桜は…
「………今も尚、来龍を守ってるのよ…。」
自分が傷付くことを、知っていて。