志ーこころー 【前編】─完─


ー志乃sideー





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目を覚ますとあたしは埃っぽい部屋に入れられてた。



志乃「(訳わかんない……)」



いきなり連れ去られて、しかも訳のわからないヘンテコな格好をした男どもに脅されるわカビ臭い部屋に入れられるわで……



志乃「だしやがれぇぇぇええええええええええええええっ!!!!!!!」



精一杯大声を上げて、怒りをぶちまける。



手も足も縛られてるし。



おまけにご丁寧に吊るされてるし……




志乃「……あたしが何したってんだ、全く……」




恨み買われるようなことはして………………。





……………………





………………………………






………………恨み買われるようなことはしてもここまでされる程のモンじゃねーぞっ!!!





頭に血が上って……顔が熱い





ーーギィィ…





蔵の扉が開いた


そこには今時珍しい着物をきた男が腕を組んで立っていた。



「よぉ、きのうは総司が世話んなったなぁ、クソ餓鬼め」



志乃「……誰のことだ?それでお前は誰だ?あたしになんのようだ?あたしがいつなにをした。答えろ。」



吊られたあたしは逆さまからその男を観察する


殺気がでている。しかも、異常なくらい……


こりゃ、下手なことは言えないな……



土方「……土方。……餓鬼、てめぇの名は…………?」




志乃「…………っこんな状況で名乗るのは尺じゃないけどね……あんた怒らせるとやばそーだからしゃーなぃ、言うよ。


あたしは松野志乃。」






土方「……志乃……。女みてぇな名だなァ……」



ほんとは女ですよ、っていいたいところだけど、女ってばれたらなにされるのか……



強姦されるか……はたまた売られるか……



どっちにしろそんな侮辱を受けるくらいならいっそ殺された方がましだね。


志乃「…………。」



土方「ふんっ。肝のすわった餓鬼が」




いつからいたのか、土方と名乗るヤツの後ろに男がたっていた。



土方「……やれ」



私を見据えたまま、低い声で、言った













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