志ーこころー 【前編】─完─
ー総司sideー
「……あたしはなんも知らねぇ!!はやくこっからだしやがれぇぇぇええええええええええええええっ!!!!!!!」
平助「……なんか……あの子供…………」
総司「………………………………仕事です、」
蔵の中から聞こえる子供の甲高い絶叫
声が高いということは、まだ年端もいかない少年なのだろう……
いくら仕事とはいえ、さすがに胸が傷んだ。
平助「…………総司……………………。」
総司「……………………せめて、あの子が吐いてくれればいいんですけどね……」
あの子の悲鳴は日に日に弱くなっていく
俯いてた平助が意を決したように顔を上げた
平助「総司……、あの子、俺に言ったんだよ……家に帰せっ!!!って。お願いだから、早く返してくれよ……って…………」
総司「……それは……ほんとですか?」
こくんと首を縦に振る平助の顔は
心配で心配でしかたない……
そう言っていた。
総司「……副長に話してみます」