志ーこころー 【前編】─完─
志乃「……あたしは、アルビノという先天性色素疾患です。
普通の人と比べて、色素と言う皮膚や瞳の色が薄いのです。
……感染とか、そういうものはないので……。
……不快感を与えていたのなら謝ります。
すいません。」
語尾が震えないように、肩が震えないように、あたしはまくしたてるように喋った。
すぐに頭を下げる。
頑張って、涙が出ないようにしていたのに
いざ口にだすと、頭の中では忘れてしまいたい言葉達が、呪いのように、あたしを締め付ける。
だめだ、泣いちゃう。
泣くな。泣くな。
見えないように、拳に力をこめた。
近藤「……顔をあげなさい。」
無理。
今あげたら絶対に泣いてること、見られる。
大きく深呼吸をして、目を思い切り見開いたら、なんとか涙を引っ込めることができた。
大きな感情の波が過ぎ去ったと同時に、あたしは顔をあげた。
分かってる。近藤さんの思っていることくらい。
口に出されなくても、あたしはわかる。分かってしまう。
どんなに成績を良くしても
どんなに頑張っても
結果は同じ。
普通でなければ、それは認められず
弾かれるのだと。
どんなにニコニコと接してくれていても、腹の中では皆、こう思うんだ。
不気味な子ね、って。
さぁ、近藤さん。
あたしは馴れてるよ。
いいよ、仕方が無いから、それは。
近藤「……松野志乃くん、君さえよければ、我々の同士として迎え入れたいのだが。…………どうだろう。」