中距離恋愛
「なぁ夏帆。
落ち着いて話そう」
剛はそう言って、私をイスに座らせた。
彼の落ち着きが憎らしい。

「俺から1つ聞いてもいい?」
そう言われ、「うん」と頷く。

「大地に告白されたとき、どうしてすぐに断らなかった?」
「えっ…?」
「……………」
「……………」
「ストーカーから守ってくれたから?」
「……………」
「元カレだから?」

本当にどうしてだろう?私にも分からない。

だからそのまま、
「…分からない」
と答えると、剛は¨はぁ¨とため息をついた。

「分からない…か」
「……………」
「夏帆。高校時代、大地と別れたこと、後悔してる?」
「えっ…?」
「大地が、夏帆と別れた本当の理由(ワケ)知ってる?」
「本当の理由って…
藤森さんと、よりを戻したからじゃ…」
「違うよ!」
言いかけた私の言葉は遮られてしまった。

「…大地は、ずっとお前が好きだったんだよ。
好きだから、お前を守るために別れたんだ」
「…どういうこと?」

剛の言いたいことが分からない。
私の頭は混乱するだけだ。

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