CHECKMATE
表面上の恋人を装うようになった千葉と夏桜。
これと言ってあからさまに態度に示した訳ではないが、お互いに呼び名を変えた事と、2人が纏う雰囲気が柔らかくなった事に、チームの誰もが納得した表情を浮かべた。
すき焼き鍋を一緒に食べた事で、2人の距離感が縮まったようだ。
お互いの間に隔たっていた壁はいつの間にか消え、傍から見ると本当の恋人同士のようにも見える。
それは、体調の悪い夏桜を気遣って、時折千葉が送る視線が格段に優しくなったのと、メンバーの前でも堂々と気遣える事が大きな要因のようだ。
―――数日後。
「一輝さんって、女に優しいタイプでしたっけ?」
「猛、口を慎め」
千葉は剣持を一瞥してから夏桜に視線を送る。
「あっ、夏桜さんっ!別に変な意味じゃないですからね?!大学時代の先輩は、今とは完全に真逆だったもので……」
「猛、フォローになってねぇぞ」
「あっ………すみません」
笑って誤魔化す剣持。
わざと千葉と夏桜をからかっているようだ。
けれど、形だけの夏桜にとって、千葉の過去はさして気にも留めない。
こういう時にどんな反応を示していいのかすら、夏桜には解らなかった。
「私は気にしてませんよ」
「お~ぉ、さすが、クールビューティー♪」
すかさず、水島が口を挿んで来た。
「別にそんなんじゃ……」
夏桜は対応に困り千葉に視線を送ると、
「おい、お前ら。油売ってないで地取り(周辺聞き込み)して来い」
「「うぃ~~~っす」」