CHECKMATE


「例の車輛が判明しました」

倉賀野の声に反応するように、一斉に倉賀野の背後に集まるメンバー。
皆一様に真剣な表情でパソコンモニターに釘付けになる。

「クラブ『AQUA』に頻繁に出入りしている車は、キュア製薬のものです」

千葉が倉賀野に指示したのは、クラブ『AQUA』に出入りしている車輛の照合だった。

大抵の車輛は、ボディに広告となる印刷をしていたり、営業車輛ナンバーから所有者が判明するのだが、該当車輛は普通ナンバーの白いスポーツワゴンだった。

しかも、車輛照会を拒むようにナンバープレートに細工がしてあり、監視カメラに映りにくい角度に調節してあったのだ。

通常の照合では無理だと判断した千葉は、倉賀野にその任を負わせていた。

「どうやってU号(車輌所有者照会)出来たんだ?」
「はい、車輛が通行した道路を追跡し、一般家庭用の監視モニターをお借りして来ました」
「監視モニター?」
「はい。通常、モニターは上から撮影するのが基本ですが、激狭物件のお宅では駐車スペースを確保するのも至難の業で、リモコンによる可動式のモニターを設置してるお宅があるんです。車輛の足跡を辿っていたら、偶然にもモニターが足下にあるお宅を発見しまして……」
「それで、借りて来たと言う訳か」
「はい」

千葉が倉賀野の肩をポンと叩くと、

「一輝さん。でも、おかしくないですか?クラブに製薬会社の車輛が出入りするって」
「そうだな」
「客として出入りしてるなら、店前に止めたりしないっすよね」
「ナンバーを細工してる所をみても、何かありそうだな」

メンバーがモニターに映し出された車輛を見据えていると、

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