CHECKMATE
科警研に到着した千葉と夏桜。
顔貌の個人識別の担当者・落合貞幸と、夏桜の先輩である河村真希と共に、地下1階のとある一室にいる。
例え、科警研の職員であっても千葉達の任務の情報を漏らす訳にはいかないからである。
「こちらが、お預かりしたデータの画像です」
パソコンモニターには、絵里と一緒に肩を寄せる男の姿が映し出されていた。
それは、先日江藤姉妹の自宅から押収した古い携帯電話に残されていた写真の1枚。
絵里が婚約者だと思い込んでいた男は『写真は撮るのも撮られるのも嫌いだから』と、交際期間中は1枚も撮らせてくれなかったらしい。
だが、そんな姉を不憫に思い、妹の美穂がこっそり携帯で撮っていたのである。
遠くから隠し撮りした為、画像が荒く、撮った事さえ忘れていた美穂。
けれど、取り調べ中に千葉の発した一言で想い出したのである。
その古い携帯の画像を明確に処理し、更には個人識別して貰う依頼をしていたのである。
夏桜が河村と会話している間に、千葉は落合から詳しい報告を受けていた。
科警研から絵里が入院している病院へと向かう車内で。
「どうだ?………少しは話せたか?」
「はい、有難うございました」
後部座席に座る夏桜は、行きの時よりも明るい表情になっていた。