CHECKMATE
4階の階段口に差し掛かった千葉。
幸いにも入口の扉は開いていた。
通常、こういったタイプのテナントの階段口の扉は閉じているのが普通である。
それを開けるとなると、少なからず衝撃音が出てしまう。
これだけ人気が無いビルで、しかもわざわざ階段から上がる人間が果たしているだろうか。
答えは明確である。
千葉は先程と同じように蝶番の隙間から気配を殺しフロアの様子を窺う。
「誰もいないな」
微かに聞こえる程度の声で呟いた。
ビルはさして大きくない。
ワンフロアに3部屋しかなく、4階はどれも営業している感じではない。
しいて言うなら事務所と言った所だろうか。
千葉は時間を確認しようと、ポケットから携帯電話を取り出した。
すると、ガチャリとドアの開く音が響き、奥の部屋から男が2人姿を現した。
1人は千葉が追って来た尾島組の組員。
そして、もう1人は………――――。
「あっ!!アイツ………」
千葉はドアの隙間から凝視していた。
途端に千葉の顔色がみるみるうちに変わってゆく。
千葉は奥歯を噛みしめ、ギュッと携帯電話を握りしめると。