CHECKMATE
――――ピピピピッ
突如、無機質な音を立てて、千葉の携帯電話が鳴り響く。
「クソッ!」
それに気付いた男2人が千葉の方に視線を向けた。
「おいっ!あそこに誰かいるぞ!!」
千葉の気配を察した男2人は、物凄い形相で駆け出した。
千葉は男の行く手を阻むかのように階段口の扉を閉めて、階段を物凄い速さで駆け下りた。
事前にビル周辺の回廊状の道路を確認していた千葉は、迷う事無く走り去る。
「おいっ!あっちだ!!あの黒いジャンバーの男だ!!」
後ろから男2人が追って来る。
千葉は日頃から鍛えている脚力で男2人から必死に逃げる。
千葉は腕にも自信があった。
柔道、剣道、空手、レスリング……。
格闘に有利な武術を鍛えているが、追っ手の2人にまだ面が割れていない今、格闘に持ち込む訳には行かなかった。
確固たる証拠を掴むまで、千葉が嗅ぎ付けている事を知られたくは無かったのだ。
千葉は一心不乱に走り、細い通路を走り抜け、大通りへと差し掛かる通路に出た。