CHECKMATE
「東さん、この中に証拠となるものが映ってますかね?」
「これで全部ですよね?」
「はい、編集済みの画像は、これが最後です」
数日に渡って剣持が潜入捜査したクラブ『AQUA』。
超小型カメラによって映し出された動画と写真の資料が手渡された。
画像編集が施されたものを随時確認して来たが、これまで証拠となるものは無かった。
夏桜は深呼吸して、最後となるUSBをパソコンに接続した。
千葉は副総監に呼ばれ不在、剣持は『AQUA』の常連客を調べているため不在。
水島と神保に至っては、キュア製薬が他のクラブにも出入りしてないか調べているため不在だ。
特殊捜査チーム『S』の部屋には、夏桜と倉賀野、そして三國の三人の姿がある。
「あの、東さん」
「はい、……何でしょうか?」
三國は夏桜の瞳をじっと見据え、急に頭を下げた。
「すみません。自分、どうしても黙っていることが出来ず、昨日班長に話してしまいました」
深々と頭を下げる三國。
黙っていて欲しいと頼まれていた為、その約束を破る行動に対してのものである。
「頭を上げて下さい。無茶なことをお願いしたのは、私の方ですから」
「あのっ………、班長に何か言われましたか?」
申し訳なさそうな表情を浮かべながら、夏桜の顔色を窺う三國。
「フフフッ、言われたどころじゃないです」
「え?」
「昨夜、完全にバレちゃいましたから」
「ええっ?!」
「それで、班長は何て?!」
夏桜と三國の会話を聞いていた倉賀野は、真剣な表情で口を挟んできた。
「一人で悩むなって」
「フッ、班長らしいな」
千葉を裏切るような行動を取っていることに胸を痛めていた二人。
夏桜の言葉に少し安堵した、その時。
夏桜はパソコンに映し出された画像を目にし、不敵に微笑んだ。