CHECKMATE


「何か見つかったんですか?!」
「へ?あっ、いえ、何も。倉賀野さんが、班長らしいなって言うもんだから、ついつい笑みが零れただけです」
「何だぁ~、てっきり証拠の品でもあったのかと思ったぁ」

倉賀野は落胆した様子で、再びパソコンに向かった。
夏桜はそんな倉賀野を視界の隅に捉え、三國に目配せする。

気にしてないで仕事をして下さいと言わんばかりに。

三國もパソコンに向かったのを確認した夏桜は、お気に入りのトートバッグの中から手帳を取り出し日数を数え、数日後に記しを付けた。

「お二人さん、何か飲みますか?」
「あ、自分、珈琲で」
「じゃあ、俺も珈琲で」
「倉賀野さん、別に緑茶や紅茶でもいいんですよ~?」
「いえっ、珈琲がいいです!」

私はお茶汲じゃないんだけど、入れてあげるわ~的な表情を浮かべた夏桜に、しまった!という顔をした倉賀野。
夏桜は決してプライドが高い訳じゃないが、紅一点という事もあり、扱いも難しい。

しかも、普段は喜怒哀楽も差ほど無い夏桜だからこそ、冗談なのか本気なのか、分かり辛い。

「自分が、……淹れましょうか?」

細々とした声を漏らした三國。
ここは穏便にと思ったのだが、そんな二人の様子を目にした夏桜は、

「冗談ですから。………今、淹れて来ますね~」

クシャッと目元にしわを寄せるほどの笑みを浮かべ、上機嫌で給湯室へと向かって行った。

「笑うと、めちゃくちゃ可愛いじゃん」
「…………ですね」

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