CHECKMATE
結局、マカロンを手土産に科警研に到着した二人。
千葉は遺体で発見された桑原の薬物鑑定結果の報告を担当者から受けている。
その間に夏桜は河村真希の元へ赴くと、真希は神妙な面持ちで通話中であった。
気配に気づいた真希は、手で空いている隣のデスクを指差す。
夏桜はマカロンを机上に置き、部屋の隅にあるコーヒーメーカーの元へと向かった。
真希好みの薄いコーヒーを淹れ、電話の邪魔にならないように静かに腰を下ろすと、ちょうど真希が電話を切った。
「お待たせ」
「相変わらず、忙しそうですね」
「ん、まぁね」
苦笑しながら大きめのポストイットにメモする真希。
雑談しながらもテキパキと仕事をこなす姿は、夏桜が憧れるキャリアウーマンである。
「はい、先輩の好きなマカロン」
「わーい!いつもありがとうね~」
瞳を輝かせながら、真希はマカロンの箱を開けた。
研究員は脳を駆使し、部屋に籠りきりのことが多い。
“甘いものでも摂らないと、やってられない”というのが、真希の口癖である。
口いっぱいにマカロンを頬張りながら、真希はバッグの中から手帳を取り出し、何かをメモし始めた。
そんな気配を感じながら、夏桜は窓から見える蒼天を見つめていた。
「最近どう?………少しは慣れたの?」
「………はい、何とか………」
夏桜は肩を窄めて苦笑して見せた。
夏桜の表情を汲み取った真希は、クスっと笑みを零す。
「男性社会だから大変だろうとは思ったけど、意外にも溶け込めてるみたいね。さすが、夏桜ね」