CHECKMATE


「それと、自分の考えすぎかもしれませんが………」
「何だ、何でも言ってみろ」

一瞬視線を泳がせた倉賀野だったが、真っすぐと千葉を捉え口を開いた。

「科警研との連携ですが、本当に信頼してもいいんでしょうか?」
「ん?…………それは、どういう意味だ」

倉賀野の思わぬ一言に、千葉の思考が一瞬停止した。

「検査や鑑定等の依頼をしても、何だか、結果が出るのが遅くありませんか?」
「…………」

実は、千葉も同じことを感じていた。
今までも科警研や科捜研に鑑定依頼をしたことは何度もある。
催促したことはあるものの、殆どの案件が数日で結果が出ていたから。

けれど、倉賀野が言うように、チーム『S』が依頼した鑑定は結構日数がかかっている。
まぁ、難しい鑑定を依頼しているのは重々承知しているが、それでも………。

「すみません、自分の思い過ごしです」
「いや、俺も同意見だ」
「え?
「結構時間がかかり過ぎるんじゃないかと思うことも多々ある。だが、検査や鑑定に関してはド素人だからな。何とも言えん」
「………そうなんですよね」

溜息を零した倉賀野は、珈琲を口にした。

「画像解析等の分野であれば、出来るだけ自分がするようにします」
「悪いな、頼むよ」

申し訳なさそうに軽く頭を下げた千葉。

「その後、東から何か頼まれたりしてないよな?」
「………はい」

カップに口を付けていた倉賀野は、慌ててカップをテーブルに置いた。

「それならいいんだ。じゃあ、そろそろ仕事でもするか」
「そうですね」

千葉は携帯をポケットに収めた。

「歩きか?」
「はい」
「じゃあ、駐車場で待ってるから来い」
「すみませんっ」

先に席を立った千葉は、颯爽と駐車場へ向かう。
そんな千葉の背中を見つめ、倉賀野は盛大な溜息を零した。

「やっぱり、打ち明けるべきだったかな……」

< 211 / 305 >

この作品をシェア

pagetop