CHECKMATE
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「今日はそろそろ上がるとするか」
「………はい」
「そうですね」
「う~~~ん、疲れたぁ~」
デスクワーク中心の倉賀野と三國、そして夏桜の3人は、聞き込み調査から戻って来た千葉の掛け声で帰り支度をする。
「すみません、お先に失礼します」
「自分も、お先です」
「ん、お疲れさん。気を付けて帰れよ」
パパっと帰り支度が整うのは、やはり男性陣。
夏桜はマイペースに化粧ポーチからコンパクトを取り出し、脂が浮いてないかチェックする。
そんな彼女を腕組みしながら机に軽く腰かけた状態で眺めていると、ミラー越しに視線が交わった。
「フッ、化粧なんか直して、これからデートでもする気か?」
「えっ、何で分かったの?」
「ッ?!…………マジで?…………誰と?」
冗談で口にした千葉だが、夏桜は楽しそうにパウダーをほんの少し乗せ、パープルグロスで透明感のあるピュアな唇に仕上げる。
「気になる?」
「……まぁな」
「その険しい顔つきで、私の周りをうろちょろされたら、デートが台無しになるんですけど?」
「……………」
夏桜がどこへ誰と行こうが基本自由なのだが、決して譲れない条件がある。
それは、千葉が完全護衛をするという条件。
暗黙の条件なだけに、あえて口にする必要は無いのだが、『デート』と聞いては対策を打たねばならない。
予想もしない展開に、千葉は動揺した。
すると、
「遅くなるから、行きましょ」
「……どこへ?」
他人のデートの詳細を聞いて、楽しいはずがない。
けれど、聞かずにはいられない。
千葉はあたふたしながら、夏桜の様子を伺うと。
「とりあえずは、駐車場に行かないと」
夏桜はニコッと可愛らしい笑みを浮かべ、お気に入りのトートバッグを肩に掛けた。