CHECKMATE


科警研に到着した千葉は夏桜を乗せ、再び都内へと向かう。

「三國さんも一緒に帰れたら良かったのにね」
「………ん、そうだな」

夏桜の言葉に軽く相槌を打ち、千葉は別の事を考えていた。

自分たちが収集した情報をハッキングしたところで、一体何の意味があるのだろうか?
どこまで状況を把握しているのか、知るためか?

それとも、不利な証拠があれば、それを削除するなり対処するため?
パソコン内にある情報だなんて、たかが知れてる。

車両の照合や検査結果の報告書が殆どで、後は婦人科の不正データのコピーくらいだ。
仮にそれらをハッキングされた上にコピー又は削除されたところで、大して痛手にはならない。

車両の照合ならセンターに行けばいつでも追跡可能だし、検査報告書は科警研でも保管されている。

先週辺りからハッキングされたと倉賀野が言っていた。
だとすると、剣持と倉賀野が病院に潜入したことを知っているという事だよな。

という事は、当然超小型カメラの事も知られている………という事か。
なのに、何故だ?
未だに何もアクション起こしてこないのは……。

考えれば考えるほど、腑に落ちない千葉であった。

「………ねぇ、聞いてる?」
「あ?………何か言ったか?」
「もうっ、やっぱり聞いてない!」
「悪い悪い、ちょっと考え事してて」
「刑事が運転しながら考え込むのは、物凄~~く危ないことだって分かってる?」
「っ……、すまん」

後部座席に座る夏桜とミラー越しに視線が交わった。

千葉の車は常磐自動車道の柏IC手前にある住宅展示場の駐車場に停車した。
そして、千葉は運転席から夏桜がいる後部座席へ乗り込む。

「どうかしたの?」

険しい表情の千葉を見て、夏桜は急に不安になった。

< 243 / 305 >

この作品をシェア

pagetop