CHECKMATE
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8時少し前、いつも通りに出勤すると、千葉のデスクに1枚のメモが貼られていた。
『警視監室へ』
たった5文字書かれたメモに、出勤早々委縮する千葉。
副総監(警視監のこと)が自分に何の用があるのか、皆目見当もつかない。
だが、体育会系の縦社会の警察で上司の命令に背く事は許されない。
千葉は襟を正して警視監室へ向かった。
―――――コンコンッ
「はい」
重厚な扉の向こうからしゃがれた声が耳に届く。
ハスキーボイスの彼こそ、副総監である。
千葉が所属している警視庁のトップは警視総監。
その次が、今、千葉が会おうとしている副総監である。
「失礼致します!」
千葉は深呼吸してドアノブに手を掛けた。
「おはようございます。刑事部捜査一課所属 千葉一輝、只今参りました」
千葉は敬礼のポーズをカチッと決め、覇気のある声で挨拶をした。
「直れ」
「失礼します」
副総監から敬礼を解く合図を貰い、千葉は待機のポーズを決めると。
「まぁ、一輝君。とりあえず、座ってくれたまえ」
「…………失礼します」