CHECKMATE
千葉は副総監と向かい合うようにソファに腰を下ろした。
千葉の事を『一輝君』と呼ぶこの副総監は、千葉の父親の旧友でもあり、そして千葉本人も良く知る人物である。
今は公務中という事もあり、建て前的には上司と部下である。
千葉は彼の言葉に便乗する訳でもなく、極めて冷静にしていた。
「相変わらずだな」
「…………そう思われますか?」
「あぁ。筋の通ってる所は父親そっくりだ」
「…………」
頑固一徹の父親に似ていると言われ、何とも複雑な心境になる。
警察官としては褒め言葉であろうと捉え、彼の次の言葉を待っていると。
「今日呼んだのは他でもない。刑事部のエースの君に特殊捜査の任に就いて貰うべく呼んだまでだ」
「………特殊捜査……ですか?」
「あぁ。だが、それだけでない」
「………それだけではとおっしゃいますと?」
千葉は副総監の胸中を推し量ろうと必死である。
刑事という職業は、人の心を読むエキスパートと呼んでも過言ではない。
誰かに命じられた訳でもなく、自然と相手の心理を探る……そんな技を兼ね備えている。
副総監は千葉の前に1冊のファイルを置いた。
そこには【特殊捜査チーム『S』㊙】の文字が記されていた。