CHECKMATE
「特殊捜査チーム『S』というのは、未解決事件を中心に凶悪犯罪を捜査対象としており、専門的なアドバイスを受けながら事件を解決させるチームの総称だ」
千葉はファイルを手にして、了承を得た上で中を確認した。
刑事部全課で捜査中の凶悪犯罪が記されている他、初めて見る案件に片眉がピクリと動いた。
「副総監、この【組織『SMUGG』】とは?」
千葉が目にした『組織SMUGG』のページには、名称だけでそれ以外が白紙であった。
初めて目にする文字と名前。
刑事としての直感から、千葉の脳裏には恐ろしい構図が浮かび上がっていた。
「『SMUGG』とは、smugglingの略で密輸の事を指している。数ヶ月前から密かに密輸が行われていると情報を得ているのだが、その真相が未だ掴めていない」
「…………」
「極秘で捜査をしていたのだが、今回、特殊チームを作る事で密輸組織を突き止め、そして壊滅させる事となった」
千葉は事の重大さに身震いした。
今まで凶悪犯罪を数え切れぬほど検挙して来た男だが、事が事なだけに過敏に反応したのである。
「そのチームのリーダー(班長)が君だ」
「………」
千葉は息を呑んだ。
縦社会の警察官にとって上司の命令は絶対で、そして、それは千葉にとって名誉な事であるからだ。