泣きたい夜には…~Shingo~



「ひとみはキミと離れたくないのだろう」


まさか、俺の為にアメリカ行きを断ったというのか。


俺だってひとみと離れるのは嫌だ。


でも、ひとみのキャリアを潰したくはない。


俺の為に潰して欲しくない。


「キミの力が必要かもしれないな」


向井先生が俺を見つめ、ぽつりと呟いた。


俺?


俺なんかに何ができるというんだ。


「成瀬さん、キミにひとみのアメリカ行きをどう思っているのかを聞きたい」


向井先生は明らかに俺を試そうとしている…


ひとみにとってこれはチャンスだ。


ひとみがアメリカに行くということは、今のようには会えなくなってしまう。


でも…


「わ、私は…ひとみを…」


ピリリリ…♪


言いかけて向井先生のスマホが鳴った。


「はい…あぁ、お義母さん、どうしたんですか?…

えっ、香澄が!!!?

わかりました。すぐに救急車を呼んで!!!とにかく早くこちらに連れて来てください!!!!」



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