泣きたい夜には…~Shingo~



涙の止まらないひとみを抱きしめると、


「で、返事はどうなんたよ?」


乱暴に聞くと、


「OKに決まってるでしょ!浮気したら、ただじゃおかないからね!!!!」


泣きながら可愛げなく答えるひとみが可愛いくて、愛しくて、


「するか、アホ!お前、泣きすぎ!」


宥めながらも笑みが零れてしまう。


「誰が泣かしたのよ!」


泣いていても強気なひとみは2年経っても変わることはなかった。


「左手出して」


ひとみの細くて長い薬指に指輪をはめた。


「ぴったり」


指輪を嬉しそうに見つめるひとみに、


「ひとみ、愛してる」


ひとみの唇にそっと口づけた。


「慎吾、私もあなたのこと、愛している」


ひとみの目から再び大粒の涙が零れ落ちた。



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